浮浪者イズム

夜、職場近くのコンビニで
浮浪者がどこからか拾ったらしいペットボトルに
インスタント用の無料ポットからお湯を注いでいた。
明日の水分確保できたことに満足したのか
店員に「ありがとう!」と挨拶して出ていった。
スタッフ公認だった訳だ。
 

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人間のテスト。(by 斎木しげる
 
お母さんの宝石を黙って質屋に売って
アフリカ難民の子供たちに寄付して役立てる。
○か×か。
 
お母さんの宝石を黙って売っていいの?
がしかし、
アフリカ難民の子供たちを放っておいていいの?
 
答えはあなたの心の中にある!

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六本木ヒルズの浮浪者は格好いい。
 
ベッカムがかけているようなサングラスに
黒いTシャツに赤い革ジャン。
ブーツカットの年代モノっぽいジーンズ。
さらに先の尖った赤いブーツを、長い脚を組みながら
目だたさせている。顔と髪型はYOSHIKI
 
少なくとも俺よりはセンスがあるのは事実。
 
さすが六本木だな。
ずいぶん朝早く(7時から)おしゃれな
お客様がいるもんだーなんて関心を払っていた。
 
気がつくと、毎日同じイームズの椅子(50万)
に座り洋書を2,3冊(計3万円程度)持ち込んで
ぱらぱらとページをめくっている。
 
中山 :「Tさん、毎日あのお客様いらっしゃいますね」
Tさん:「そーなのよー。臭いのよー。」
中山 :「え、臭い?」
Tさん:「うん。浮浪者だよ。あの人」(あっさり)
中山 :「えー!」
 
そんな夜。
あのコンビニの無料ポットのお湯でカップ春雨を
ふやかし、そのイームズの椅子に座り
プラスティックのフォークで
春雨をすすっている自分の夢を見る。
 
フォークに春雨がうまく絡まらず
格闘している俺の目の前を
あのYOSHIKIが通り過ぎる。
 
なんだかスタッフとひそひそ話。
Tさん :「うん。浮浪者だよ。あの人」(真顔)
YOSHIKI:「えー!」
 
何を書いているんだ俺は。
どうやら休息が必要なようだ。