拝啓、ドクター古澤様。

あなたは私とアメフトしていました。

あなたの掛け声とともに、私が股から振り上げるアメフトボールを

あなたは私のおしりに手をあてて受止めてくれる、そんな間柄でした。

今日のパスはずれている、今日のパスはどんぴしゃだ。

なんて良くおしりと手で語り合ったものです。

あなたが声を発しないとゲームは始まらない。

私がボールを振り上げないとゲームは始まらない。

2人でゲームを支配している。

そんな思いでアメフト楽しんでいましたね。

あなたと一緒に「ルディ」という映画を見ました。

感動のラスト、お互い涙を流しながら拍手しました。

理想と現実。

何度と辞める辞めないの話を繰り返しました。

でも、同じ時間、同じ場所、同じ空気の中。

アメフトやっていて良かった。

明日から頑張ろうと、心底共鳴し合いましたね。

あなたは私と暗い話を良くしました。

練習帰り、辻堂の駅近くに路中した暗い車中で。

アメフトについて、家族について、人生について、これからについて。

あなたと話すといっつも暗くなる。

おまえと話すといっつも暗くなる。

お互い批判しては、お互いそんな時間がとっても好きでしたね。

あなたはおりしも私と同じ獨協学園の生徒となりました。

5年間、栃木で1人で頑張りました。

そして、あなたは北海道のとある病院で

いよいよ人々を幸せにする仕事に取り掛かろうとしています。

思えば横浜駅で「国境無き医師団」の写真展覧会を見たとき。

ふと「医者になりたい」とあなたは言いました。

あれから8年がたちました。

まさか、ほんとうにお医者さんになるなんて。

あきらめなければ、思いは実現するのですね。

あなたと私は一度も栃木で餃子を一緒に食べませんでした。

今とても後悔しています。

仕事を理由に「忙しい、忙しい」と言っていた自分。

あなたの存在を無視していました。

今とても後悔しています。

そして、試験が終わった今日。

あなたと私は横田くんのお誘いのもと日比谷で再開しました。

あなたは私のことをかっこいいと言ってくれました。

私もあなたのことかっこいいと思っています。

そして、他にはいない唯一無二の親友だと思っています。

残念ながら、あなたと私は物理的に遠い存在となります。

でも、だからこそ、これからあなたと私はもっと

心の近い存在でいたいなと思っています。

わたしはそんなあなたの人生に「おめでとう」といいます。

わたしはそんなあなたと一緒の自分に「ありがとう」といいます。

これからも、お互いの「生き方」について

励ましあい、批判しあい、誉めあい、忠告しあい

共鳴しあっていけることがとっても幸せだと思うのです。