「教育」シンドローム

最近、教育本をよく読む。欲張りだから端っこから全て読むつもりでいるのだが

ドイツの教育制度では、大学に進学するか専門学校で技術を身につけるかなど、
将来の進路を十歳で決めさせるそうだ。
その「十歳の選択」を可能にするため家庭でもゼロ歳児のときから
「生きる力」をつけるための子育てが行われている。
子供の特性を伸ばすため、親が長所を見つけて褒める。
同時に幼児期に道徳や上手な話し方などを厳しくしつける。
十代になってからは細かいことには口出ししないという。

教育熱心であったことで有名なソニー創業者である井深大さんの
「幼稚園では遅すぎる―人生は三歳までにつくられる! 」もタイトルからして納得。
駄目押しで、吉本隆明さんが「心とは何か―心的現象論入門 」で記している真実。
母乳を与えている母親の感情を乳児はしっかりと認識しているそうだ。
ちょっとした「今日は面倒くさいな」という母親の気持ちまで
ゼロ歳児にちゃっかりばれてしまっており、
それ自体が幼児の人格形成に大きな影響を与えるらしい。

そういえば、ともにAR教育に熱心だった元上司(今度は北海道で錦を飾るらしい)
が犬のしつけ方の本を読みながら
 「中山、やっぱり誉めなきゃ駄目なんだよ。」
 「中山、やっぱり本質は変わらないんだよ。」
とやたら繰り返していた言葉がやけに脳裏に焼きついている。

でも、頑張っている人もおるんよ。

「いのちの教科書 学校と家庭で育てたい生きる基礎力」の
金森俊朗先生の学級は人の死について
クラスメイトと共にまじめにに向き合い、
各々の想いを発言し、共鳴する。
「痛みがあるから、こころは強くなる。」を信念に、
訪れる毎日を、喜怒哀楽を全身で表しながら消化し、
日々仲間とのつながりを強めていく子供たち。

一方、そんな教育にあこがれる大人たちは、
「自分を育てる親は自分です」ときっぱり語る
美輪明宏さんの舞台に熱心となり、
「人と間と書く人間。かかわりなくして存在しえない」という
日野原重明先生の智慧に癒しを求める。

この現象、ものすごく分かる。
所詮、人は人の子。

そんなことを思いつつ、
東京ドームで最高の親孝行を目の当たりにして
己を教え育ててくれた両親に感謝して止まない今日この頃。(本心)