「ああ、そう。」

GREE Night という1人のプログラムで
増幅したコミュニティをリアルに目の当たりにし
その怖さ、すごさを体感した。
その興奮冷めやまぬうちに
まるとみぞと一緒に抜け出して
1人のオタクが描く、黄色い物語の終焉なのか
続編なのか、とにかく「Kill Bill vol.2」を観にいく。
人の繋がりは不思議なもので
vol.1もこの3人で観た。
しかもvol.1と同じく封切2日目にだ。
まあ、vol.1でひどいと思った人は
vol.2も観に行かない訳で
そんな映画を
「いやー、ばかだよねぇー」と言いつつも
まじめに劇場へと駆け込む僕らは
それだけで変人なのかも知れない。
とは言え、映画の内容のことを
とやかく書くつもりもないが
ご想像通りの終焉なのか、続編なのか
であった訳だ。
しかしだ、タランティーノが描くドラマ、
ディテールを予想できるはずもなく
それは、それで僕ら3人は楽しめたのだが
終わってみれば、「でしょ。」と
言われればそれまでのストーリーと
展開だったのである。
それでいいのだタランティーノ
ビデオレンタル店の店員だった彼が
ここまでのアメリカンドリームを掴み取り
やがて、つぶれた彼の働いていた
ビデオレンタル店のビデオを全て自分の家に
買い取ってしまうぐらいのオタクが描くドラマ。
それはそれで、十分過ぎるのだタランティーノ
ことは起こってしまった、その終焉なのか、続編なのか
全て台詞の中の質問形式で解決してしまう
パルプフィクションあたりから見え始めた
映画を観ている人間が観たいものへと
強引な話の展開はお決まりだが
今回は、それはそれは、お粗末過ぎる
展開で、収拾がつかなく、最後はそれかいっ!って
さまぁ〜ずの三村なら何度でも突っ込める
仕上がりとなっている。
だから、タランティーノは映画の中で
「ああ、そう。」という日本語を何度も
無意味に多様する。とは言っても2回だけだが
その2回を主役と準主役に言わせるあたりが
にくいぞタランティーノ
おまけに、ハリウッド版「子連れ狼」の監督は
俺にやらせろ!というメッセージも含ませて
いやいや、ご立派タランティーノ
マイホームの一室をボードゲームのために
捧げるその一人のオタクの生き様を
まざまざと見せ付けられて
「ああ、そう。」とうなずき返してくれ!
そんなタランティーノの熱意が、ぐっと
心に刺さった。
主人公の名前も解決して、
そもそも何で式場で花嫁の主人公は襲われたのか
の疑問も片付いて、爽快というか、なんというか
小室哲哉TM Network時代に若者の音感を
洗脳し、その後の小室ファミリーブームを
創ったことを僻む坂本龍一のような気分になれた。
まあ、観たい人が、観ればいい。
そんな映画を観終わって
今日で丁度1周年を向かえた六本木ヒルズを通り過ぎ
ラーメンでも食べながら
日曜日の午前零時。
これから「ぶたねぇ?」なんて
会話したのはこの世で、僕ら3人ぐらいなのだろう
と思いながら、僕は静かに応えた。
「ああ、そう。」