新しい一日

房総の海辺で日の出を見ました。
明るくなってもなかなか太陽は出てきません。
後光のごとく雲の向こう側を黄金色に
輝かせながら期待に反してなかなか
出てきません。
やがてあきらめかけたころ波の
伴奏とともにカーっと太陽は顔を出します。
14時の方向にある月とは対照的な
光が太平洋の海面を照らします。
顔を出すと、今度はものすごく速いのです。
地球が秒速で回転していることが
実感できるぐらいぐっぐっと太陽は
ものすごい速さで昇っていきます。
すると不思議と鳥の囀りが聞こえてきます。
さっきまでまったく聞こえませんでしたが
あちらこちらから聞こえてくるのです。
太陽を見るとほっとします。
新しい一日が始まることの喜びを
当たり前のことなのに、こーしてじっと
見ていると、とってもほっとするのです。

房総の海辺で日の入を見ました。
ものすごい数の鳶が旋回するはるか
向こう側に太陽は沈んでいきます。
時がたてば当たり前のように太陽はまた
昇ってくるのだけど、どことなく淋しいのです。
波の伴奏がそれを助長してくれます。
明日の晴れを約束する夕焼けを残して
顔を地平線に隠した太陽はものすごく
速く沈んでいきます。波が浜辺に打ちつけて
出来た泡の潰れるシュワ、シュワという音
とともに、あたりはグラデーションのごとく
暗くなっていきます。
やがて温もりは無くなり、無の世界へと
突入します。青かった空には星が
いくつか輝き始めます。何故か星を見ると
地球が宇宙の一部に過ぎない、
その小さな存在であることを再認識します。
当たり前の繰り返し。僕らはこの地球上で
生きています。