年末のテレビを見て想う

今年は人生で最もテレビを見なかった1年だったのかも知れない。
それだけテレビ以外の刺激が多かった反面、それまではかなりのテレビっ子で
あったわけだが、年末久しぶりに朝6時までブラウン管に噛り付いた。
せっかくなので気づきをまとめてみる。
 
細木数子:1人勝ちの図式
 
1人で年商10億円だから、ものすごい人に違いはない。彼女の人生も波乱万丈で
まま、それだけの苦労と貫禄があるから十二分な説得力もある。
ずばり意見は言うわ、茶の間の奥様方はみんなうんうん頷きながら
彼女の言動に左右する。年末の堀江社長への助言にしてもIT業界は3年後に動く
というお話。なまじ間違っていない。(アンダーでは今年から変わりつつあるが)
視聴率女王とまで言われている彼女のビジネスモデルの基軸は
80万人もの会員を抱える細木会員システム。ま、金がすべてではないが。
TV露出、出版はその販促でしかないというその生き様、センスの良さに感服。
別に騙されているわけでもないのだが、彼女と瀬戸内寂聴を比較すると面白い。
http://www.6sei.net/pc/top.html
 
■冬ソナ&マツケンサンバ:50代おばさん
 
ブームは間違いなく50代おばさんが主軸になってきた。50代のイノベーター
から同じく高齢のオピニオンリーダーに火がつき、その世代を親に持つ
アーリー・マジョリティの娘へと伝搬していく。ここでマスコミが取上げ
レイト・マジョリティへと広がっていく。さすがに冷めて見ていた男性陣も
マスコミに取上げられて安心するのか遅ればせながらこのあたりで興味を示す
傾向にある。1年前、名前の言える韓国人と言えば、アン・ジョンファン
ノ・ムヒョン程度だった僕の親父ですら、チェ・ジウはきれいだの、
ペ・ヨンジュンよりイ・ビョンホンの方がいいだの、首筋が痒くなる発言
を連発していた。ちなみにマツケンサンバは気になるが、お気に召さない様子。
うちの父は時代劇を至極愛するばかり、日本の古典におふざけが入ると
受け付けない傾向にある。ま、僕の父親の話などここでは用無しだが。
 
■お笑いからマジックへ:世代交代
 
お笑いブームはまだまだ健在であるが、すこしネタ的にはレベルが落ちている
と言わざるを得ない。そろそろ次世代が伸びてほしい。毎年見ている面子は
変わらないし、ネタが面白い面子もそう変わらない。実力あるのは
劇団ひとりぐらいだろう。まぁ、あのふかわりょうだって出始めは面白かった
のだから。どれだけの芸人がつぶやきシローみたいになってしまうのかは
見ものである。さらに、マジックの露出が大幅に増えているのには驚いた。
ナポレオンズしかり、マギー四郎しかり今まで日が当たっていなかっただけなのか、
アニメの次に日本が誇れるエンターテイメントへと進化しているではと思うほど、
ここ2,3年でマジシャン世界チャンピオンを輩出しているのは我が国日本である。
日が当たる場所に才能は集まるわけで、日本のデビッド・カッパーフィールド誕生も
時間の問題であろう。年齢問わず万人に受け入れられるマジックはお笑いを越えて、
息の長いブームになると思う。
 
TVタックル効果:みんなしゃべり出す
 
テレ朝お得意の対談バトルは、TVタックルサンデープロジェクト
朝まで生テレビによって培われたもの。そしてNHKしゃべり場によって
それは政界、芸能人のみの領域から一般庶民へと加熱していった。
堂本光一をうまく使ったTBSのジェネジャンもその流れであろう。
己自信も人のことはあまり言えないが日本人はプレゼン能力が欠如している。
要は人に対して自分の意見を述べる機会が滅法少ない中、世代を超えた
議論はとても意義あることだと思う。時には傷つくかも知れないが胸の
内を自分の言葉で真正面から相手にぶつけてみる。日本社会、特に
教育の現場で必要なことだと思う。相手を殴りたければ殴る方がいい。
黙ってナイフで突き刺すよりは。ぜひ日テレにやって頂きたい。
スポーツ報道のあり方について、様々な意見を取り入れるべきである。
だが、かつて日テレのXテレビにて「なんでも鑑定団」の元ネタを
テレ朝に譲った立場としてはテレ朝のお得意芸を模倣することは
とても屈辱的なこと。しかし、そのプライド事体を取り払うべき時だと思う。
 
■他局交流中継:新しい企画を
 
しかし、TV史上2回目となる他局交流中継。今回は登龍門のフジテレビと
カウントダウンTVのTBSとのやり取りであったが、もはや二番煎じ。
面白くともなんともなかった。それにしても前回同様フジテレビの天狗
っぷりはどーしようもない。せっかくカウントダウンTVの恵が
「フジテレビさん、明けましておめでとうございます!」と呼びかけているのに
フジテレビのアナウンサーどもは手前どもではしゃぐだけで頂けない。
こーいーのを公共電波の無駄遣いと言うのだろう。綿密な打ち合わせが
あったのかどーか知らないが、視聴者としては本当につまらなかった。
仕組みとしては面白いのだから新しい企画を期待する。