教育

家の子供が自動販売機を見つけては
おつり返却口に手を入れる癖がついてしまい
困っている。いつもニューズウィーク
子供特集を楽しそうに読んでいる教育担当の
君なら、何かしら知識があるんじゃないかと
思って聞いてみたんだが。どうだろう。
なんて突然、会社の先輩から相談を持ちかけられた。
 
アルバイトスタッフのマネジメントを
学ぶために本気で子犬の育て方の本を読んで
「なぁ中山。やっぱ叱っちゃ駄目なんだよ。
誉めなきゃいけないんだよ。」などと前触れ
もなく突然話しかけてくるきちがいな昔の
上司から、お前スタッフ教育担当と命じられて
以来、すっかり「教育」が板についてしまったらしい。
まぁ嫌いではないが、それが幸いしてか、
こうして今人事にいられるわけで。そんな
子供の相談まで持ちかけられるまでになった。
ありがたいことだ。
 
そこで、その自動販売機のおつり返却口に
手を差延べる1歳半の男の子の悪癖を
無くす方法をしばらく考えてから。
そーですねー。まず、その返却口に手を
差延べる原因を知る必要がありますね。
なんてもっともらしいことをしゃべり始めた。
子供の視点で、丁度目線の高さにある
おつり返却口に手を入れたいという衝動は
好奇心からなのか、それともどっかの大人
がそーするのを見て、ただ真似している
だけなのか。あるいは、本能からお金欲しさ
の確信犯なのか。
 
すぐによしなさいと叱ることはよろしくない
です。単に好奇心からであれば何故
叱られているのか。何が悪いのか息子
さんには理解できませんから、これを
繰り返すと確実にぐれます。と脅しつつ。
すぐに辞めさせたいのであれば、おつり
返却口に手を入れることによって嫌な
体験をさせることです。例えば手を
入れたら腐ったトマトが入っていたとか、
食べかけのガムがくっついてきたとか。
そんな嫌な体験が続けば息子さんは
辞めるでしょう。
 
ただ、これはあまりオススメできません。
何故ならせっかくの好奇心を恐怖心へと
変えてしまうために息子さんのさまざまな
可能性を閉ざしてしまう危険がある
からです。ではどーするか。
それはですね、その好奇心を違う興味に
発展させるわけです。おつり返却口に
手を入れた息子さんに、えらいねー、
じゃ今度はこっちに手を入れてご覧。
というふうに興味を違う方向へ誘うわけです。
それに応えた場合はもっと誉めてあげる
ことがポイントです。
 
とか、べらべらお話ししたら妙に納得されて
終いには君に相談して良かった。僕も
ニューズウィークの子供特集読んでみるよと
言われた。実は愛犬のしつけ方本が
元ネタです。とは、さすがに言えなかった。