習慣と視点

オフィス勤務になってから

毎朝、会社のトイレ清掃をしてから

仕事を始めることにしている。

なにも僕1人がやっている訳ではなくて

朝礼の前に15分自分の職場を清掃する

創業以来、この会社が続けている良い文化である。

他の会社がどうしているかは知らないが

己の職場を己自身が清掃することで

「今日も一日頑張りましょう!」という

儀式めいた清める行為は

別に組織に所属せずとも継続したい行いである。

ゴミ捨てから床清掃、ホワイトボード消しの粕拭き

あるいは椅子の下側部品(結構ホコリをかぶっている)や

机の雑巾掛けなど、いろいろ選択肢はある。

そんな中、僕はあえてトイレ清掃を選択する。

男性しか分からないかも知れないが

ション便器で最も汚れているのは

実は便器の上の部分の裏側であることをご存知だろうか。

試しに、機会があったらション便器の前でかがんで裏側を

除いてみて欲しい。

女性の方は是非、他の男性社員がいなくなるまで残業して

こっそりと除いてみて欲しい。

飛び散った尿がびっしりと氷柱のごとくこびりついている。

(お食事中の方ごめんなさい)

そんなあたりを発見してはきれいにすることが

非常にうれしかったりするのだ。

これを「下座の視点」と呼んでいる。

日常から違う角度、違う視点でものを見ると

普段気付かないものに出会える。

「いまを生きる」のロビン・ウィリアムス演じる

キーティング先生の言う通り

机の上に立って、当たり前のように現実の先生に

叱れた僕は、その逆の方法を選んだ訳だ。

今日の「特ダネ」で小倉さんが話していたけど

上司を肩書きではなく「さん」付けで呼ぶ会社が

なんと全体の30%にも増えたらしい。

「さん」付けにすることで風通しの良い会社

を目指すんだとか。

そういえば、本社がここ3年ばかしずっと

"More Profit More Communication"

なんてスローガンを打ち出している。

ま、そんなこと言っているということは

それだけ駄目なわけだけど。

まさにジャイアンツの "SPEED & CHARGE"そのもの。

(ちょっと古いか)

今の上司に、2ヶ月ほど前「金○部長」と呼んでいたら

「金○さん」と呼べと訂正された。

どうも「部長」と肩書きで呼ばれるということは

その部下から好かれていないということになるらしい。

ならば寅さんの「たこ社長」は寅さんから好かれていないのだろうか。

そんなことを考えながら

今日も必死になって便器を磨いた。